日本におけるラバーダム使用率と普及しない理由とは?

2022.12.6

ラバーダムの日本における使用状況

ラバーダムは日本以外の先進国では一般的に使われているものの、日本ではあまりラバーダムが使用されていないと言われています。
(アメリカでは90%近くの歯科医院が使用しているものの、日本では約5%~25%程度の歯科医院しか使っていないというデータもあるようです)   その大きな理由としては、根管治療の保険点数が低いことがあげられます。

なお、平成20年の保険点数の改正で、ラバーダムそのものには保険点数がつかなくなりました。(改正以前は10点=100円でした)

歯科医院としては、ラバーダムの効果についての考え方はともかく、経営的にラバーダムを積極的に使用しづらくなっているとの指摘もあります。

根管治療のトータルの治療の値段が4020円〜7500円ほどなので、その範囲の中で根管治療で使用する他の器具の準備、診療に関わる人たちの人件費など、さまざまなランニングコストを賄わなければなりません。また、多くの歯科医師がラバーダムを使用していないため、実際は理想的な手技にもかかわらず、使用するにあたって患者様に説明が不可欠となり、その分、さらに時間単価が下がってしまうという現実があります。

日本の歯科大学でもラバーダムの装着についてはしっかり指導されますが、実際の臨床の現場では使用されることが非常に少ないので、なんとなく使い方は覚えているが、実際にクリニックにはラバーダム防湿を行うためのセットがないということも起きています。

また、ラバーダムを使用せずに根管治療を行うことが常態化しているため、良好な予後が得られず、「根管治療は成績がよくないので、早めに抜歯してインプラントを入れた方が良い」と考える歯科医師がいることも事実です。


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