ラバーダムのメリット・デメリット
2022.12.6
ラバーダム防湿のメリット
ラバーダム防湿には、
・唾液による汚染を防止することでき、無菌的処置が可能になる
・術野の乾燥を保持することでき、薬剤や修復材などの状態が良いままで使用できる
・リーマー、ファイルの誤嚥や、切削器具による傷害などの事故を防ぐことができる
・術野を明確にすることでき、処置を容易にすることができる
というメリットがあります。
ラバーダム防湿のデメリット
根管治療におけるメリットの大きいラバーダム防湿ですが、デメリットも存在します。
クリニックにとってのデメリット
・装着や脱着の時間がかかる
・コストがかかる
保険診療で根の治療にラバーダムを使用する場合、ラバーダムに使用する消耗品だけで赤字になる場合があります。
・日本ではラバーダムを使用した歯科治療が一般的ではないので、時として使用のための理解をえるための時間も必要となる
・クランプの適合時に、歯肉に疼痛(ずきずきとうずくような痛み)を与えてしまうことがある
・口呼吸の患者には適応できない
・ラテックスアレルギーのある患者には適応できない(ノンラテックスもシートもありますが、ラテックスのシートと比較して2〜20倍ほどの価格になります)
というデメリットもあります。
患者さんにとってのデメリット
・診療時間の長時間化
・息苦しさ
・不快感や痛み
ラバーダムを使用せずに根管治療を行った場合の根管治療の再発率は高いにも拘らず、ラバーダムをして治療を受けた経験が少ない患者様が多いため、しっかりとメリットを伝えられないとトラブルやクレームになる可能性があることも、歯科医師がラバーダムを使用していくにあたってのハードルになっていると考えられます。